カラーコットン
4000年の眠りから目覚めた「カラーコットン」
カラーコットンには、茶、緑の色があります。
これらの色はすべて生まれつきコットンそのものの色で、
染めた色ではありません。
「コットンは白い」と言うのが常識ですが、実はもともとの色は茶色だったのです。
大昔、人々は草や木や泥で布を染めることを覚えました。
すると、色をキレイに出すには白が一番都合がよく、より白いコットンになるように品種改良しました。やがて白いコットンがすっかり主流になると色の付いた茶色のコットンはじゃまになりました。
白いコットンに茶色が混じると困ることから、栽培することを法律で禁じた時代もありました。
そしてとうとう茶色のコットンは姿を消して人々の記憶からも消えてしまったのです。
エコロジーへの関心が広がり始めた1980年代無農薬で育てるコットンが話題を呼びました。
そんな時、アメリカの昆虫学者であるサリー・フォックス氏は、カラーコットンの存在を知っていました。そしてひらめきました。
川や海を汚す染色をすることなく、カラーコットンで色や柄が出せたら素晴らしいと。
ホビーで、細々と茶色の綿を栽培していたグループの協力を得て、それらをビジネスとして成り立つレベルの生産量に漕ぎ着け、名実ともにカラーコットンを復活させたのです。
かつて染色工場の周辺は化学汚染し、繊維産業は公害産業と呼ばれた時代もありました。
カラーコットンはこの汚染がまったく起きないエコロジー繊維として、4000年の眠りから覚めて
今最も新しい素材として注目されています。
りんご、ピーマン、カラーコットン
大自然が生み出す色は実に多彩です。色とりどりの花はもちろん野菜や果物も豊かな色にあふれています。ただし自然の色は移ろいやすく人工の染色と比べると安定しません。土壌のミネラル成分のちがい、年々の気候のちがいによって色合いは異なり、一定の色を望むことはできません。
カラーコットンも原綿の色は収穫毎に異なります。
一般的に色の度合いを示す場合DIC(大日本印刷カラ-ガイド)何番とか数字で表しますが、カラーコットンは単に白いコットンの原綿30%とか50%とかの混綿率で示すしか方法がありません。
当然元の原綿の色の濃度によってぜんぜん違う色調になる可能性があるわけです。
これは欠点ではなく自分と出会った唯一の「縁のある色」と捉えていただければ
愛しさが湧いてきます。自然の恵みだからこそ現れる色を楽しみましょう。
有機カラーコットンが消えてゆく???
あなたは触ったことはありますか? 着た事はありますか?
カラーコットンは、需要不振のため栽培が続けられなくなっています。
オーガニックコットンの市場でも漂白や染色をした方が有利な面が多く、需要が伸びるに従ってカラーコットンが衰退するという結果になってしまいました。
一般の人々に十分に行き渡り、真価が伝わる前にその姿を消してしまうというのはいかにも残念です。
NOCは、何とか絶やさないよう最大の努力を払い供給を続けてゆきます。
4000年ぶりに陽の目を見た茶色の綿が、わずか10年で消滅してしまわないように、
みんなでもう一度注目し、利用してゆき、
来年も有機の畑にカラーコットンの種が撒かれるよう運動してゆきましょう!
古くて新しいカラーコットン
茶色の綿のUV防止効果
茶色の綿には、不思議なことに生体に有害な紫外線を95%も吸収するUV効果があることが偶然発見されました。草木染のUV効果を調べていた時、たまたま傍にあった茶のカラーコットンの布地を比較のために測定しました。白いものは80%位だったのに茶は草木染の布地と同じ95%台の値を示したのでした。さあ何故でしょうか?「茶色の綿は綿の原種」ということを思い出してください。コットンが育つのに良い条件は長く強い陽射しを受けることです。すると綿毛に包まれた種子は有害紫外線から守られなくてはなりません。大自然が選んだ綿毛の最良の色は茶色だったのです。市販のUV加工品は化学処理されて製品化されていますがカラーコットンは生まれながらにUV防止品になります。帽子、手袋、外着、カーテンにも効果を発揮します。
緑色の綿の面白さ
緑の綿はサリーさんの茶色の綿畑の中から見つかりました。変な色の不良品だから捨ててしまうというのが普通ですが、サリーさんは、大切にこの変種の綿を育てました。さらに変種同士を掛け合わせてその特徴が色濃く出るよう辛抱強く繰り返しました。最初は薄い黄緑のような色だったのが、はっきりした緑色になりました。その後も黄色、ピンク、ワインレッド色の綿が採れましたが、商業的には成功していません。遺伝子組み換えの技術で成功するかもしれませんが、オーガニックの精神に反しているので使えません。自然の交配では緑色までが妥当なのかもしれません。
緑の色は石鹸や重曹などのアルカリ性の液に浸けると色がパーっと発色します。また熱いお湯に浸けても濃くなります。しばらく使っていると色が薄くなります。これは洗った時の水の中の塩素や洗剤の漂白作用のためです。さらに日に干すと紫外線の漂白作用が影響します。
色が濃くなったり薄くなったりなんとも面白い綿ではありませんか。変化するどの色もみんな安らぎのあるいい色になります。どうぞ慈しんでください。
FORT WORTH STAR-TELEGRAM
PARADE 1996 ,APRIL
アメリカで最も成功している女性より学ぶ
Sally Fox サリーフォックス(40歳)
Natural Cotton Colours Inc. CEO
毎年コットン収穫の秋にはサリーフォックスは、アリゾナ、ヴェケンバーグの綿畑で一日を過ごす。
1982年サリーは茶色のカラーコットンの種をひとかかえ持って畑に蒔き、うまくできたら、ホビーで綿繰りをしているグループの人たちに使ってもらおうという軽い気持ちでスタートした。
ところがエコロジー時代の後押しがあって、3年も経たないうちに3億円の年商の企業に成長した。
染色せず、色柄を楽しめるというエコロジー、健康面での利点を持ったカラーコットンはメジャーな市場からも注目された。
Fieldcrest-cannonがシーツや毛布、LL bean,がセーター、Ikeaが家具のうち張りに採用した。
サリーフォックスは、1年計画、3年計画そして5年計画をすでに立てている。
「計画なしで仕事することは単なる足踏みのようなもので前に進めることはできない。」
と持論を語った。
Sally Foxのメッセージ
カラーコットンの魅力にとりつかれて随分経ちましたが、計り知れない自然の営みに飽くことを知りません。カラーコットンの存在を知った時、一つの仮説を立てました。
この野生の茶色の綿は繊維長が短いため、手で綿繰りをし、やっと太い糸がとれる状態だけれども、品種改良を繰り返せば必ず一般の紡績機械にかかるくらい繊維長の長い綿になる筈だ。
とてつもなく年月がかかることを覚悟して始めてみると順調に研究は実を結びわずか3年で工業生産に耐える品質を確保しました。そのうえ茶色に隠れていた緑、赤、ピンクの色の綿を突き止めました。予想を超えたこれらの綿は、これまで多大の協力をしてくれたハンドメードの綿繰りをしているホビーのグループに感謝を込めてプレゼントしました。
これ以降、研究のテーマは、はっきりと繊維長を長くして糸そのものの品質向上そしてまだまだ現れてくる未知の色の発現になりました。
International Center of Textile Research And Developmentのジョンプライス氏は、実験機でしたが世界で最初のカラーコットン実機による生産を成功させました。
古代と現代を結んだカラーコットンの糸の出現は、本当に多くの人々の知恵と経験と協力の下、成し遂げられた成果です。その後、オーガニックコットンの認証を正式に取り名実ともにエコロジー製品として貢献してきました。更に国の植物種を管理する機関からも協力があり新たなチャレンジを進めてゆきます。
カラーコットンの歴史
綿はアメリカ大陸で4500年前から栽培されていたことが分かっています。
最初は家畜のえさだったり、薬草として使われ、繊維として利用されたのは、
ずーとその後のことでした。
グレー、茶、ベージュ、白は選別されて栽培されていたという研究があります。
他に青、紫、ピンク、緑も利用されていたとありますが、一般の学者たちは、
口伝による単なる伝説で、草木で染められたものと混同しているとしています。
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日本オーガニックコットン流通機構
理事長 宮崎 道男
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