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オーガニックコットンの重要性が、広く認識されて来ている
<ICAC 国際綿花諮問委員会 第70回全体会議レポート>
International Cotton Advisory Committee
ICAFは1939年に設立された綿花関係国政府間組織で、日本政府は、1951年に加盟している。
2006年に専門委員会SEEPが発足している。
The Expert Panel on Social, Environmental and Economic Performanceof Cotton Production
綿花生産に係わる社会性、環境保全、経済性を検討する専門委員会
2011年9月、アルゼンチンのブエノスアイレスで第70回全体会議がありました。このたびの議論で特徴的なことは以下のことでした。
・当組織の目的を改めて再確認した。綿花産業の発展のために各国政府が協調して生産の効率性、社会性、環境保全を維持するための最適な行動を協議することを目的とするとした。
・このところの綿花価格の不安定さに対しては,当組織は無力だった。投機などによる外的不安定要因に対してこの組織がどのように対応するかの課題が残った。ただし、綿花価格が不安定だったのにも係わらずに、コットン製品市場(バリューチェーン)の動きは活発だった。
・議題の中にバイオテクノロジー、オーガニック、持続可能性、社会性(フェアトレード)の言葉が多く使われるようになった。
<タウンゼント氏の三つの提議>
当組織の専務理事のテリー・タウンゼント氏(アルゼンチン代表)は、このような相場価格の安定のために当組織ができることはないかと議論されたが、このような投機的な動きまでコントロールすることは無理だと言明した。
ただし、政府に正確な情報を継続的に提供し、最適化を協議する必要はあるとした。
以下のような3つの提案をした。
1.Cotton Solutions Center を新たに組織し、専門の調査機関を組織してはどうか。
2.オーガニックコットンを奨励するかどうか、奨励するとすれば生産の仕組みのどのような面を推し進めるべきか。
3.輸出を規制する国の政府を押し止める努力をするWTO(世界貿易機関)を支持するかどうか?
いくつかの講演の中で人気のあったのは「オーガニックコットン生産とそのコストと有益性について」であった。
講演者は、Simon Frrigno サイモン・フェリーニョ(Sustainable & Organic Farm Systems 顧問)
Jens Soth イエンス・ソス(Helvetas Oragnic Cottton Center 企画担当)
<講演の内容の要約>
綿花生産の環境への影響について、農薬の問題、化学肥料の問題、水の消費の問題など誰でも改善すべきと思っている。
これを改善するにはいくつもの難問があることは確かである。
それでも、この望ましいゴールに向けてスタートするかどうかの議論をする時期ではなく今や、どのようにゴールするかの議論をすることが大事だ。
・サイモン フェリーニョ (以後、SF)
かつて、オーガニックコットン市場は、取るに足らない隙間産業と呼ばれていたが、今やメインストリーム(本流)に受け入れられ一定の地位を確保した。
ただし今後、大手ブランドは、ベターコットンや安くてサステナブルな素材に移行してゆく懸念もある。
・イェンス ソス(以後、JS)
一般のコットン産業に対してオーガニックコットンは、新しい光を届ける灯台のような役割をもち、一般のコットン生産の改善に貢献してきた。今後もその傾向は衰えることはなく、一般のコットン産業は、限りなくオーガニックコットン方式に近づくものと見られる。
<5つの質問に答える>
Q1.世界のオーガニック生産が直面している問題点は何か?
JS氏
やはり、生産量を増やすことだ。
その活動そのものが持続可能性農産物の手本になってゆく重要な位置にある。一般綿の化学肥料や農薬や種のコストが高くなって、従来、オーガニック生産のコスト高が、相対的に高く見えなくなってきている。2002年から行ってきた私たちのオーガニックコットンプロジェクトはこのところの綿花価格の乱高下にあっても、最小の影響で済ませられた。この対応力を今後も高めていかなければならない。
SF氏
オーガニックコットンといえども、不安定な市場動向、不穏な気象変動、耕地の確保、水の競合などの問題を抱えている。
オーガニックコットンの業界の戦略として他の繊維との明確な違い、独自性をアピールしてきたが、今後は一般綿とこと更に違うと強調するのではなく、同じコットン業界の一員として活動してゆくのがいいと思う。オーガニックコットンが、確かな根拠もなく優位性を強調するのは、コットン業界全体にとって有益ではない場合もあると思う。
Q2.これまでの数年のうちでオーガニックコットンに何か変化はあったか?また次の1~2年で変化するのは何か?
JS氏
過去に新たなプロジェクトを進めて、急速な成長があった場合、難問も一緒にもたらす結果になった。認証システムでグループ認証を許すいわゆる内部管理システムがあるが、当初数百人の農民を対象にしていたのが数千人規模になり、十分な検査ができているかどうか問題があるかもしれない。市場は、常に生産性を上げてコストダウンを図り、競争力を上げることを要求するが、持続可能性を志向すると簡単にはコストダウンが難しい。但し、長期的視点に立てば、持続可能性のテーマは避けては通れない。
SF氏
私は、オーガニックコットンに係わってから11年になるが、成長はものすごいと感じてきた。時に早過ぎ、実態が伴っていないという面が懸念されるものの、今後の成長はまだまだ続くものとみられる。
Q3.オーガニック生産の最大の問題はイールド(単位面積あたりの収穫量)が劣るということだが、伸びてゆく世界の需要に応えてゆけるか?
JS氏
私たちのオーガニックコットンプロジェクトでは生産性は一般綿と比べても見劣りすることはない。さらに小規模な農家は、改善の余地をたくさん残していて、いろんな工夫で更に生産力を伸ばす余地を残している。
SF氏
イールドを単に比較するのはどうかと考えている。たとえばアフリカの農民は輪作をしている訳で、コットンだけを見れば、統計上、確かに低く計上されるが、食物生産物も評価に入れるとそれほど悪いことはない。農場全体の生産量で見ないと本当の姿は見えてこない。
Q4.世界の綿花がすべてオーガニックに塗り換わることは考えられるか?そうではないにしても、最大でどのくらいの比率になると考えられるか?
JS氏
大半にまではいかないだろう。あくまでもエコロジーやフェアトレードの指針を示し、一般のコットンがその影響を受けて、改善してゆくということだろう。
SF氏
オーガニックコットンが需要の大半をまかなうことは考えられない。
せいぜい5~10%までだろう。
Q5.そのほか何かコメントはありますか?
JS氏
オーガニックコットンの伸びは、いずれなくなるかもしれないが、その他の麻などのオーガニック繊維の伸びは期待できる。今までこの分野への投資がなかったために、伸び率が低かったが、オーガニックコットンとミックスすることで新しい重要が起きて、むしろコットン以外のオーガニック繊維の成長があるかもしれない。
ミックス製品は、今後5~10年の間に、綿花市場の10~15%という大きなものになるかもしれない。
SF氏
これまでのオーガニックコットンの貢献は、最小の環境負荷で効率的にコットンを生産できることを証明したことと、農民を組織して貧困から脱する実例を示せたことだろう。またもうひとつ重要なことは、遺伝子組み換え技術に頼らないで伝統的な育種方法が活かせることを証明したことである。
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日本オーガニックコットン流通機構
意訳 宮崎 道男
2011.10.17.
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Global Market Report on Sustainable Textiles2010
TE(テキスタイルエクスチェンジ)2010年市場調査報告
オーガニックコットン市場は右肩上がり
この不景気にも係わらず、世界の主要ファッションブランドは、しっかりとした販売戦略の下で手堅く20%の成長を果たしている。
2010年市場規模4,128億円($5.16billion,\80/$)
2009年市場規模3,440億円
アメリカ市場、ヨーロッパ市場では、コットン以外のオーガニック繊維の市場全体で見ても堅調で、15%の成長をみせている。
オーガニックコットンの売り上げの推移
2005 |
Nike
Coop Switzerland
Patagonia
Otto Group
Walmart/Sam’Club
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|---|
2006 |
Walmart/Sam’Club
Nike
Coop Switzerland
Patagonia
Otto Group
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|---|
2007 |
Walmart/Sam’Club
Nike
Coop Switzerland
C&A
Woolsworth’SouthAfrica
|
|---|
2008 |
Walmart/Sam’Club
C&A
Nike
H&M
Zara
Anvil Knitwear
Coop Switzerland
|
|---|
2009 |
C&A
Nike
Walmart/Sam’Club
Williams-Sonoma
H&M
Anvil Knitwear
Coop Switzerland
Greensource
Levi Strauss
Target
Adidas
Nordstrom
|
|---|
2010 |
H&M
C&A
Nike
Zara
Adidas
Greensource
Anivil Knitwear
Target
Disney Consumer Products
Otto Group
|
|---|
それぞれの企業の販売戦略の強弱を反映して、順位は激しく入れ替わっている。中には125%以上売り上げを伸ばす企業がある。特筆すべきは、ディズニーがランクされたことと、ワォールマートが外れた一方ノードストロームやウィリアム・ソノマなどの富裕層向けのブランドが入ってきたことである。
市場予測と繊維生産の行方
このまま年間20%の成長を維持できたとすると2011年の市場は4,960億になり、2012年には7,440億円になる。 経済の後退がある中、商品販売量は軒並み縮小している。
当然ながら、オーガニック繊維の生産も手控え気味になり、在庫が過剰でなければ、そのまま抑え気味に生産を続けるという状態であった。
この事態に、TE(テキスタイルエクスチェンジ)は、大手ファッションブランド各社に対して必要な糸品種と糸量を急ぎ確保した方が良いと伝えた。
2011年の収穫量について、TEの見通しでは、改善しているとしているが、製品製造の人々は、紡績の生産者が、悲観的で継続的な生産が難しいと感じていることを知らない。
その他の95%の綿について
世界的に景気が後退する中でも、大手ファッションブランドは持続可能(エコロジー、フェアトレード)な綿花生産に改善する努力を支持し続けている。
持続可能繊維の意義としてはオーガニックコットンの背景は、明瞭であるものの、オーガニックコットン混用の一般綿の背景についても配慮するように動き出した。
TEは、5%のオーガニックコットン混用品からオーガニックを名乗れるような仕組みを作っているが、その残りの95%の一般綿(慣行栽培)についても改善の方向を目指している。
具体的には、BCIの活動をどう取り込むかの検討である。2005年にスイスでBCI(Better Cotton Initiative)という非営利の会員組織が設立された。目的は、世界の綿産地の自然環境改善で、危険な農薬や過剰な使用を止め、農業者の健康や生活向上、更に産地コミュニティの将来についても考慮していくというものである。
TEは、今後はこのBCIの活動が、一般綿の産地で大きな役割を持って、エコロジーの面でも農業従事者たちの生活改善につながって行く切っ掛けを作るものとみている。
多くのファッションブランドの関係者達も、この95%の一般綿の改善については、強い関心を持っていて、どう取り組むか検討している。全体としていい方向に向かっていると信じている。
環境配慮型の繊維の市場の未来は明るい
2010年はTEがリサイクル繊維や植物再生繊維(レーヨン、とうもろこし繊維)など環境配慮型繊維を加えた最初の年であった。
繊維業界で、従来の繊維生産は、環境配慮の面でどうか?と議論している間に、TEは先んじて繊維産業において、環境を痛める要素は最小にする、社会的損失が起きないよう最善の方法を考えるという基本方針を宣言した。TEが繊維産業に指示して得たデータを見ると、オーガニックコットンのレベルに匹敵するくらい良好な内容だった。しかし、まだまだ改善の余地はあり、調査と具体的な計画を持って進めてゆかなくてはならない。
なぜ 環境配慮型の繊維を重視するのか?
・繊維の廃棄物は、全埋め立て地の5%にものぼる。
・百万トンの廃棄繊維は、毎年埋め立て地を満杯にしている。
・企業の汚染廃水の20%は染色をはじめとする繊維加工工場から出ている。
・2009年において世界は、6,000万トンの繊維を作るために120億トンの水を使った。
・一枚のTシャツを作るのに、2.8トンの水を消費したことになる。
・毎年、世界の繊維産業が使う電力は一兆キロワットアワーにもなり、地球上のカーボンオフセット換算の10%に匹敵する。
以上、 TE(テキスタイルエクスチェンジ)2010年市場調査報告より抄訳
NOC見解
オーガニックコットンが繊維市場に出現してから、かれこれ20年の歳月が流れました。
20年前というと、世界的バブル経済が破綻して、酔いが醒めたように、周囲を見回し、さあこれからどうするという不安な気分の時代でした。その後経済は概ね停滞しましたが、オーガニックコットン市場は、派手さはないものの手堅く、一貫して右肩上がりの成長をしてきました。スローライフ、ロハスなどの落ち着いた生活観を持つ人々がマーケットの重要なゾーンを占めるようになって、オーガニックコットンのコンセプトは重視されるようになりました。
この度のTEのレポート内容を見ていると、オーガニックコットンは量的にも市場へのインパクトの面でも極く極く小さい存在ではありますが、環境に配慮する、生産者の生活を改善するなどのオーガニックのコンセプトが繊維業界全体に与えた影響は計り知れない位、大きな存在であることが判ります。
この価値観はさらに進んで、倫理的な観点から、動物を虐待するような処置のある製品にも改善を求める気運も出てきました。例えば、鵞鳥の羽毛をむしる工程や羊毛を取るために子羊に施す尻の皮膚の手術ミュールシングなど今まで全く気に掛けて来なかった問題にも目が向くようになりました。消費者が、実態を知ればすぐに販売量に影響するというマルチ情報時代にあって、繊維産業の暗部が改善されてゆきます。
このたびのTEのレポートで、TEもGOTSも、そしてNOCのエコ規定も時代を変える重要な仕事であるという実感をもたせられました。
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日本オーガニックコットン流通機構
理事長 宮崎 道男
2011.9.15.
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OTAレポート EUとUSの基準の相違点
「欧米」という言い方をするので、私達アジアから見ると、ヨーロッパとアメリカは、同質に見えますが、よくみると、主導権を取ろうとして、何かと張り合っている面が見えます。
アメリカが「オーガニック」といえば、EUは「ビオ(BIO)」といい、アメリカが「エコロジー」というとEUは「グリーン」と言います。
OTA(Organic Trade Association.アメリカ)が、EUとアメリカが行っているオーガニック認証基準の考え方の違いを整理しています。
1.共通しているところ
第三者機関、監査方式、年に一回の検査、認定業務、材料リスト、オーガニック転換期間の設定、持続可能農業推進
2.異なるところ
文化の面
・US(アメリカ) ― 共通言語は英語のみ。類似の文化。
・EU(ヨーロッパ)― 共通言語も文化も違う。
法的な側面
・US ― 州法が連邦法に格上げした。
・EU ― 15の自治政府が、EU2092/91の規定を創り上げた。
3.収穫のプロセスで若干の規定が異なる。
1)転換期間について
・US ― 3年以内 例外規定がない。
・EU ― 単年生は2年、多年生は3年 例外規定がある。
2)肥料の規定
・US ― 収穫の120日以内に肥料を入れなければならない。
・EU ― 家畜の糞の取り扱い規定がある。単位面積あたりの施肥量の規定がある。
3)緩衝地帯 :オーガニック農場と一般の農場の境に一定の距離を置くかどうかの規定。
・US ― 規定がある。
・EU ― 規定がない。
4.製品加工工程の規定
・US ― 取り扱いの細かい規定がある。(Handling regulation)
・EU ― EU検査規定に則って行う。 (Inspection regulation)
5.ラベルの取り扱いは、ほとんど違いがない。
A.少なくても95%以上のオーガニック性が規定されている。
B.made with の規定ではともに70%のオーガニック性を規定している。
EUは、残りの30%については、営利的な目的でミックスされた物ではないことを表明され、内容は、分かりやすくリスト化しておくものとしている。
C.USは、50%以上の混率であれば、オーガニックの表示が出来る。
EUは、70%以下の混率の物には、オーガニックのラベルを付けることを許さない。
D.USは、オーガニックの含有率の表示義務はない。
EUは、表示義務に近い規定をしている。
E.USは、移行中のオーガニック農産物をオーガニックとは認めない。
EUは、移行中のオーガニック農産物を表示が出来る。
6.原料と原料の加工の公表
原料の表示
・US ― 天然の原料は、禁止されたものや人工的なものが含まれなければ表示しなくてよい。
・EU ― 基本的にすべて表示しなくてはならない。
原料の加工
・US ― NOSBの評価と科学的な検討の内容の公表を求めている。
・EU ― 各EUメンバーの意向に基づいて公表される。
7.認定の仕組み
・US ― 連邦機関が指令して、USDAが認証機関を認定する。
・EU ― 認証主体によって選定され、検証される。
EUのメンバー国は検査規定に則って認定される事の責任を負う。
以上、OTAレポート(July.2002)より抄訳
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日本オーガニックコットン流通機構
理事長 宮崎 道男
2011.2.14.
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重要なデータが変更か?
JOCAの理事長 日比暉氏の1月20日(2011)レポートはとても重要です。
ご注目ください。(抄訳)
コットンは、世界の耕作面積のわずか2~3%の面積で栽培され、
そこで使われている農薬は、世界の全農薬の10%、
殺虫剤に限ると25%なんと4分の一にもなります。
10年以上前から、オーガニックコットンの説明の時に、枕詞のように使ってきたこのせりふが
変わるのです。
日比さんのレポートでは、ICAC(国際綿花諮問委員会・アメリカ ワシントンDC)が
2009年に綿花畑の農薬の使用について発表している内容を解説しています。
参照記事(pdf )
これによると1990年代に綿花栽培に使われた農薬の量はピークとなり、殺虫剤では20数%を示したとあります。
丁度、NOCがオーガニックコットンの普及活動を始めたころは、上記のような「決めせりふ」の表現は、誇大ではなかったようです。
そしてこの度、ICACは、信頼できる調査としてイギリスの会社CROPNOSIS社が行った結果を発表しています。
- ■綿花栽培のために支払われた農薬の金額と世界の全販売額の比率をみてゆくと
- 1988年に、綿花の農薬は全体の11%だったものが
- 2008年には6.8%に減った。(約2、700億円・90円/$)
- ■同様に殺虫剤に限ると2000年に19%、2008年には15.7%に減少した。
但しここで注意しておかなければならないのは、上記の「農薬」の定義で、除草剤、殺虫剤、落葉剤、成長促進剤、成長抑制剤などとして、化学肥料が入っていないことです。
一般に農薬と言えば、化学肥料は含まれますが、この調査データには化学肥料の記述が一箇所も出てきません。
化学肥料を入れると数字は更に大きくなります。このデータはまだ発表されていません。
この他、世界の農産物別に農薬の販売比率が出ています。
農薬の定義は前述の通りです。
世界の農薬販売額の作物別比率 (%)
| 作物 | 2004年 | 2006年 | 2007年 |
| 野菜・果物 | 29 | 30 | 30 |
| 穀類 | 16 | 16 | 17 |
| 大豆 | 10 | 10 | 10 |
| とうもろこし | 9 | 9 | 9 |
| 綿花 | 8 | 8 | 8 |
| 米 | 8 | 8 | 8 |
| 甜菜 | 2 | 2 | 2 |
| 菜種 | 1 | 2 | 2 |
| その他の作物 | 14 | 15 | 15 |
JOCAの日比氏は、
世界の耕作面積の綿花畑が占める割合は、2.5%であることを考えると、やはり農薬をたくさん使っている作物である事にかわりはない。
と言及しています。
その上、前述のように、化学肥料は、除外されていますが、実は化学肥料による土壌劣化、
酸性化の問題も無視できない環境問題です。
オーガニック農産物は、植物の残渣や家畜の糞など処分に厄介な物を有効利用する訳で、
エコロジー、サステナビリティの観点からも重要な要素と考えられます。
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日本オーガニックコットン流通機構
理事長 宮崎 道男
2011.2.9.
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Organic cotton world Now
TEXTILE EXCHANGE レポート(抄訳)
平成23年1月28日
2009/10年オーガニックコットン 最新情報
2009/10年の世界のオーガニックコットン生産量は、世界の綿花生産量のやっと1%を少し超えたところまで成長してきた。
一般綿の生産が低調なのに比べて、前年比15%も伸ばした結果となった。
相変わらず東南アジアは生産の中心地であり、特にインドの生産量は突出していて、なんと80%以上に及んだ。成長率はなんと38%を示している。
要因は、インド経済の好調をうけて、農業と製品生産の流れが効率を上げているからである。
競合しているその他の国には大いに脅威になっていることも事実である。
特に西アフリカ、南米諸国、トルコなどは、成長が停滞気味で、インドとの価格競争に対抗できなくなってきている。
世界のオーガニックコットンの生産地で懸念される問題は、ウガンダでの化学薬剤汚染がある。伝染病の対策に使われる消毒剤がコットンの畑を汚染している。
また中国と南米諸国では天候不順があり、トルコとシリアでは有害な菌により収穫量の減少があった。これらの結果として価格は上がり、競争力を弱めている。
世界の経済は、まだリーマンショック後の回復途上にあり、市場に対する投資意欲が弱く、オーガニックコットンの生産にも影響している。
以上のように、インドを除く、オーガニックコットン生産主要国は、軒並み生産量を減らしてはいるが、オーガニック農産物全体の生産量はむしろ増えていて、状況が変わればオーガニックコットンの生産に戻る可能性を残している。
(農家は常に利益の高い農作物を選んで生産している)
オーガニックコットン生産国・生産量トップ10
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
10.
インド
シリア
トルコ
中国
アメリカ
タンザニア
ウガンダ
ペルー
エジプト
マリ
19万5、757トン
2万
1万1、599
4、300
2,809
2,635
1,550
831
666
541
23カ国 合計 24万1,697トン
2009 / 10 の実績
| 2009-2010年 | 2008-2009年 | |
| オーガニックコットン生産量 | 24万1、697トン | 20万9、950トン |
| 前年比 | 15% | 20% |
| 全コットンに対する オーガニックコットン生産量の比率 |
1.1% | 0. 9% |
| オーガニックコットンの生産国数 | 23カ国 | 22カ国 |
| オーガニックコットン生産者数 | 27万5300人 | 22万人 |
| 認証された有機農場の面積 | 46万1、000ha | 25万3,000ha |
| 世界のオーガニックコットン 生産量に対するインドの生産量の割合 |
81% | 68% |
*以上の実績は、2009年8月~2010年7月の期間としている。
*オーガニックコットンの農業従事者は27万5、300人で、平均家族5人として
約1、400万人の生活を支えていることになる。
オーガニックコットン市場の成長について (世界の小売り額の総額)
2005年 641億円
2006 1、180
2007 2、162
2008 3、790
2009 4、300
オーガニックコットン生産者のコメントを一つ紹介します。
アントニオ・ベニデス氏
アラテックス農場の農業者
カーグアズ市パラグアイ
オーガニックコットンを始めた年は、きつかったです。
なにしろ、有機栽培に慣れるため、畑の状態をいつも見ていなければならないし、コットンの生育にも目が離せない。
害虫駆除にも農薬を使わないので、それに代わる天然の材料をあれこれ工夫しなければならなかった。
なんとか3年が経って、疑問がすっかり晴れました。
畑に生き物が帰ってきたんです。
土は柔らかく生き返ったんです。
鳥のさえずりを聞けるようにもなったんです。
家族も私も自然の素晴らしさを楽しんでいます。
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日本オーガニックコットン流通機構
理事長 宮崎 道男
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